ケアマネ試験の対策として「住宅改修」について、解説していきます。
この記事で紹介する内容は、ケアマネ試験を受ける方だけじゃなくて、住宅改修を受ける利用者や家族の方にも有益な情報です。
この記事を読めば、住宅改修がどのような制度なのかが分かります。
筆者の簡単な自己紹介です。

マッキーです。
介護士として10年以上働いています。
現場での経験を経て、ケアマネの資格を取得しました。
現在も特養の介護職員で、施設ケアマネとして働いています。
主にケアマネ試験をテーマにして、ブログで介護職員向けた情報等を発信しています。
住宅改修について
住宅改修とは、高齢者の身体の変化により自宅での生活が大変になったとき、
高齢者がより生活しやすいように「介護保険」で自宅を改修できるサービスです。
実際に家の中に入り、工事が行われます。
住宅改修の目的
- 利用者が生活しやすいようにする
- 介護者が介護しやすい環境にする
住宅改修の6項目
住宅改修には6項目があります。
①手すりの取り付け | 玄関、廊下、トイレ、浴室などへ手すりを付ける。 |
②段差の解消 | 敷居を低くする。スロープの設置、 通路の傾斜の解消、転落防止柵の設置など |
③床・通路の材料変更 | 床材を滑りにくいものへ変えて転倒を予防します。 |
④引き戸への扉の取替え | 開き戸を引き戸やアコーディオンカーテンに取り替える。 ドアノブの変更、引き戸の新設、扉の撤去など。 |
⑤様式便器などへの便器の取替え | 和式便器から様式便座へ変える。 便器の位置や向きの調整。 |
⑥上記の付帯工事 | ①~⑤に付帯して必要な工事。 |
要介護度に関係なく、上記の工事が行えます。
住宅改修費の支給について
住宅改修は何度も行えるわけじゃなくて、介護保険で使える金額が決まっています。
住宅改修は基本的には1回だけ
20万円までの支給が可能
支給限度基準額については、以下の記事をどうぞ。


介護の必要度の3段階アップでリセット
住宅改修は基本的に1回だけですが、介護の必要度が3段階アップした場合に2回目の住宅改修が認められます。
「介護の必要度」は「要介護度」とは違います。
介護の必要度は以下のように決まっています。
介護の必要度 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
要介護度 | 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
要支援1、要介護1の介護必要度は同じ「2」ですね。
- 要支援1から要介護3以上へ
- 要支援2(要介護1)から要介護4以上へ
- 要介護2から要介護5以上へ
この3パターンで介護の必要度が3段階アップします。
その他のケース
転居
改めて20万円の支給を受けることが出来ます。
新築
住宅改修とは認められません
増築
廊下の拡を広げる工事>ついでに手すりを取り付ける
トイレを広くする工事>ついでに和式便所から洋式便所へ変える
このような場合に住宅改修の支給が認められる場合があります。
被保険者が自ら行う場合
本人や家族が自ら行う場合には、材料費が支給対象となります。
一つの住宅に2人以上の被保険者がいる場合
工事の個所が重ならないように範囲を特定して、各保険者ごとに申請を行います。
住宅改修の申請から支給までの流れ
①まずは介護支援相談員に相談します。
②必要な書類を保険者へ提出します。
- 支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事見積書
「住宅改修が必要な理由書」を作成できるのは、
「介護支援専門員」か「住環境コーディネーター2級」を取得している者です。
③自宅の工事が行われます。
④保険者へ修了の報告
- 領収書
- 工事の内訳書
- 完成前後の写真
これらの書類を保険者へ提出します。
⑤工事が終了した後で住宅改修費が支給されます。
ケアマネ試験での傾向と対策
住宅改修は保健医療福祉サービス分野の後半の方で出題されます。
「介護福祉士」や「福祉住環境コーディネーター2級」でも同様の知識が問われます。
福祉住環境コーディネーター2級はケアマネ試験と直接関係はありませんが、興味のある方は参考にどうぞ。


福祉用具の問題がセットで出題される
試験では「住宅改修」に「福祉用具貸与」「特定福祉用具販売」が合わさった問題が出題されます。
どれも、介護保険で適応となる項目があるので、それぞれ違いが分かるようにしておくのが大事です。
(住宅改修では上で紹介している6項目ですね。)
福祉用具貸与、特定福祉用具販売に関しては、こちらの記事を参考にどうぞ。
住宅改修の対象にならない工事に注意
ケアマネ試験では、住宅改修の対象とならない工事が、ひっかけ問題で出てきます。
実際に試験に出題されたもので、以下の工事は住宅改修にはなりません。
- 昇降機、リフト、段差解消機などの動力に使う機器
- 自動ドアの動力部分の設置
- 水洗化工事
- ポータブルトイレを置く
このように「何かしらの動力」を伴う工事は対象外です。
「ポータブルトイレを置くだけ」のように工事が伴わないものも対象外になりますね。
この記事のまとめ
この記事では、ケアマネ試験の対策として「住宅改修」のまとめをしました。
住宅改修には、利用者が生活をしやすく、介護者の負担を軽減する目的があります。
住宅改修について
住宅改修には6つの項目があります。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 床・通路の材料変更
- 引き戸への扉の取替え
- 様式便器などへの便器の取替え
- 上記の付帯工事
住宅改修費の支給について
住宅改修の支給限度基準額は20万円で、基本的に1回のみです。
介護の必要度が3段階上がった場合に、もう一度だけ利用することが出来ます。
転居した場合にももう一度、利用できます。
家の増築で工事が伴ったり、保険者が自ら工事を行う場合に材料費が認められるケースもあります。
住宅改修の申請は、介護支援相談員が住宅改修が必要な理由書を作成して、保険者へ提出して行います。
給付は工事が終了した後にもらえます。
ケアマネ試験でのポイント
福祉用具貸与、特定福祉用具販売の問題が一緒の設問で出題されることがあります。
動力が伴う工事や、ポータブルトイレの設置などの工事が伴わないものは住宅改修の対象外です。
ひっかけ問題の選択肢でよく出題されます。
以上で簡単ですが、まとめとさせてもらいます。